ひいおばあちゃんが亡くなった

今までこのかた二十数年生きてきて、私はお葬式に出たことがない。それは今もだ。
自分でも嘘だと思うぐらいだからこのブログを読んだ人は尚更そう思うだろう。その日私は葬式の夢を見ていた。皆真っ黒な喪服を着ていた。起きてから何も考えずに、また寝た。
ひいおばあちゃんが亡くなったと聞いたのは父親と食事をしている時だった。鳥鍋を食べていた。席についてお通しが出た後で父親が携帯を見て、私に告げた。
父親はそんなに動揺していなかったふうに思う。私に気をつかったのかはわからない。普通通りに晩御飯を食べて店から出た。
その後おばあちゃんが眠っているお葬式の会場に行った。驚いたのは受付も誰もいなかったことだ。中はまるで病院のようで思っていたイメージと全然違った。そこは白が広がっていて、死を全く感じさせない場所だったからだ。
全くそういう場所だと感じずに戸惑っているとおくりびとで見た唇に水をつける小皿がほかの部屋の入口においてあるのが見えた。そして部屋に入ると馴染みのない親戚の人が複数いた。正直に言ってしまえば、早く帰りたかった。
なんでこんな日に私はネイルが赤色なんだと思いつつ指を隠した。部屋の奥には顔に布を被せられたひいおばあちゃんがいた。
眼鏡をかけていなかったからよくは見えなかったけれど、眠るような死に顔とはこういうことなのだと思った。たとえそれが死後の筋弛緩で、皆がそうなるとはわかっていても。苦痛が一切ないような顔をしていた。
それがただ眠っている訳では無いとわかるのは美しい白の着物を着ていたからだ。そして手の上には六文銭が入っているであろう袋が置いてあった。
奇妙な感覚だった。生きていない人が近くにいるのは。それと共にほかの親戚は過ごし、食事をし、一部の人はここで眠る。きっともっと身近な人なら苦ではないのだと思う。でも私にはそれが恐ろしく思えた。
突然の知らせだったので安らかに逝けたのだと思えばそうではないらしく、呼吸気をつけてずっと喉が渇いたと言っていたのだという。眠るような死はなかなか難しいのだと思った。
近くに生きてはいない人がいる薄気味悪さと、それを異常だと思っていないことにどこか居心地の悪さを感じながら私は父に連れられて部屋を出た。明日試験だったので、下宿先に帰らねばならなかったからだ。
お葬式に私は出ていない。血が遠くかつ、分家の娘だからいいと聞いた。ここら辺の話はよくわからない。なので私はおくりびとで見た火葬しかまだ知らない。
いつか近いうちに私もお葬式に出ることになるのだろう。その時、私がどうやって死を受け入れるのかが不安で仕方ない。

親友を失った

先週の今頃、私は親友を失った。LINEを開くと○○が退会しました。と出ていた

大学で出会った友人だった。オタクで、声優が好きで最近ではキンプラの4D応援上映にも行った。それが最後に遊んだ日になるとは思ってもいなかった
携帯を振って友達登録をしたためほかの情報は一切知らない。LINEのIDも、携帯番号も何もわからない。住所も知らない。めんどくさいから年賀状はいいか、なんていうタイプだったのだ。お互いに

ツイッターでの話をしていたからアカウントはあるのかもしれない。でも消されているかもしれないし、絵を描いていることは知っているが見たことはないので絵柄で見つけることも出来ないし、鍵アカウントであればやはりわからない

スマホが壊れたんじゃないかと思い調べてみても自主的に設定からアカウントを削除しなければ退会しましたとは出ないらしい。つまり私の友人は自分の意思でアカウントを消したことになる

思えば予兆はあったのかもしれない。新しく始めたバイトや風邪、私が体調を崩したこともあって最近の遊ぶ予定は流れていた。私のことを鬱陶しく思ったのかもしれない。それも有力な線だろう。だからアカウントを消したのかもしれない。だが別の友人からも親友のアカウントが消えたとラインが送られてきている。そしてアカウントを消す常習犯でもない。

こちらからも向こうからも連絡が取れる手段がない今、もう会うことも無いのだろう。会うとしたら出先で会うことだが私も友人も好んで外に出るタイプではないため、限りなく可能性は低い

もう連絡を取ることは諦めているくせに、私はこうしてなにか手がかりを探そうとしている。きっとどこかで元気にしているとは思いたい

いつも遊びに行く時に使っていた電車、歩いた道を先日一人で出かける時に使った。思い出されるのはその子との会話ばかりで切なく思うのと同時に自分の友達のいなささに少し泣きそうになった